かぜ(感冒)
おもにウイルス感染によって起こる上気道(鼻腔~咽頭)の急性炎症です。症状は、全身倦怠感、発熱、咽頭痛、咳・たん、鼻汁、鼻閉などがみられます。人から人へと感染するので、地域ごとに流行がみられます。治療の基本は、安静と適度な水分摂取です。症状を緩和するために、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、去痰薬、総合感冒薬などを処方します。積極的に抗生物質を処方することはありませんが、二次的に細菌感染を起こすリスクのある方には投与を行うことがあります。
気管支炎
下気道(肺の中の空気の通り道)の炎症で、咳、たん、発熱などがみられます。細菌やウイルスが原因となる急性気管支炎と、喫煙などが原因で年間に3か月以上咳やたんが続く慢性気管支炎があります。急性気管支炎では原因菌を考慮して抗生物質を使用します。慢性気管支炎では、禁煙を徹底し、たんを出しやすくする薬などで治療を行います。
肺炎
肺の炎症の総称です。原因は多岐にわたり、細菌やウイルスによる感染のほか、カビやアレルギーが原因になることもあります。高齢者では誤嚥が原因になることもあります。最近では新型コロナウイルスによる肺炎が有名です。細菌性肺炎では肺炎球菌の割合が高いため、65歳以上の方には、5年ごとに肺炎ワクチンの接種が勧められています。