睡眠時無呼吸とは
睡眠中の呼吸停止(無呼吸)や低呼吸により、いびき、日中の眠気、倦怠感、集中力の低下などを起こす病気です。頻度は成人男性の約3~7%、女性の約2~5%です。近年、交通事故の原因として社会的問題になっています。無呼吸を認めやすい方の特徴には、肥満症、小顎症、短頸、扁桃肥大などがあります。
診断
まずは、自宅で簡易無呼吸検査(無呼吸の有無・回数、経皮的酸素飽和度を測定)を行います。睡眠1時間当たりの無呼吸(10秒以上の気流停止)と低呼吸(気流が完全には停止せず一過性に低下)の回数の和(無呼吸低呼吸指数apnea-hypopnea index: AHI)が5以上であれば睡眠時無呼吸が存在します。AHIが40未満の場合、治療適応を調べるために精密検査(ポリソムノグラフィpolysomnography: PSG、入院が必要)が必要です。
治療
無呼吸の標準治療は、持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure: CPAP)です。簡易無呼吸検査でAHIが40以上、もしくはPSGでAHIが20以上であればCPAP治療の適応です。CPAPは、毎日4時間以上使用することで効果が出てきます。軽症例ではマウスピースを用いることがありますが、効果はCPAPより劣ります。
注意点
- 無呼吸があっても、眠気を感じないことがあるので注意が必要です。
- CPAPの使用は、鼻呼吸ができることが前提になります。マスク装着前に鼻の通気を確認し、鼻閉がある場合は抗アレルギー薬、点鼻薬などによる治療が必要です。
- CPAPが使用できない場合は、横向き(側臥位)睡眠が有効です。背中に枕をおくなど、試してみましょう。
当院では、睡眠時無呼吸の簡易検査を行っています。また、他医療機関からのCPAP管理のご紹介も受け付けております。
是非、ご相談ください。